生物学を勉強したイギリスのコンラッド・ハル・ウォディントンは、のちに遺伝学者にして哲学者として名を馳せ、「システム生物学」の基盤を築くことになる。しかし第二次世界大戦が勃発すると、ウォディントンは招集に応じ、すぐにイギリス空軍沿岸軍団の作戦研究部門に配属される。B-24リベレーター爆撃機が整備に膨大な時間を要し、任務に支障が生じている問題について調査した彼のチームは、データ収集の末、作戦参加に必要な修理ではなく予防的な整備に時間をかけ過ぎていると結論づけた。この結果からウォディントンは「部隊即応性」の概念を生み出し、定期的な整備を削減させる。これによって機体に問題が発生する可能性は高まったが、全体としての稼働率は大幅に向上した。実際、沿岸軍団の爆撃機の飛行時間は、およそ60%も延びたのである。