軍事用語における「チョークポイント」とは、敵が部隊に迫ってくる際に地形が経路に与える制約を戦術的に利用することを言う。こうした場所の例としては、森の中の狭い道、丘陵地帯の狭い谷間、橋や浅瀬、沼沢地に点在する乾いた足場などが挙げられる。チョークポイントの把握は優れた指揮官なら必ず身につけている能力だ。敵の進路を限定することで、戦闘の趨勢をも左右できるからである。戦争の歴史をひもとけば、こうした事例はいくつも出てくる。テルモピュライの戦いで隘路を守りに活かしたレオニダス1世。スタンフォード・ブリッジの戦いのトスティ・ゴドウィンソン。スターリング・ブリッジの戦いのウィリアム・ウォレス。フランス軍が森の隙間から攻め込むことを余儀なくされたアジャンクールの戦いも忘れてはなるまい。