方陣とは、歩兵が密集し、すべての側面で外側を向くことによって騎兵の攻撃を防ぐ陣形だ。プルタルコスによれば、この陣形は馬にまたがった蛮族と幾度となく戦ってきたローマ人が考案したもので、カルラエの戦いでも方陣を駆使した軍団がパルティア軍を無力化したとされている。漢の騎馬歩兵もまた、凶暴な匈奴との度重なる戦いでは馬から降り、方陣を組んで応戦したと言われている。中世にはいったん廃れたが、14世紀に入ってから再び脚光を浴び、ナポレオン戦争では極めて重要な戦術となった。ただし、一ヶ所に密集した歩兵は砲撃の的になりやすく、方陣を組んでいる兵などはまさに格好の餌食だった。それでも騎兵の突撃に対してはこれ以上ない有効な抑止力であったのもまた事実である。