あまたの王、皇帝、武将には、手ずから選んだ親衛隊がいた。こうした兵士は高度な訓練を受けており、王が遠征に出かける際には行く先々に付き従った。近衛兵の主な務めは君主の命を守ることだったが、彼らは優れた急襲部隊でもあった。他の兵士より優れた武器や防具を与えられ、規律が行き届き、(おそらく) 死を厭わずに戦ってくれる彼らは、王にとってはまさに切り札だ。歴史をひもとけば、こうした部隊の活躍が至るところで語られている。ペルシアの不死隊、オスマン帝国のイェニチェリ、中国唐王朝の禁軍、ナポレオンの古参近衛隊、イギリスの王室師団など、挙げれば枚挙にいとまがない。こうした部隊は、見栄えのいい制服を着せられた単なるお飾りではなかったのである。