ウヴス・ヌール盆地 (またはウヴス湖) は、時間の挟間に迷い込んだような場所である。東シベリアに位置するこの土地には、人が住んでいた形跡がほとんどない。しかしこの盆地には、古代の死者の墓穴、記念碑として建てられた巨石、トゥバ族の印象的な喉歌がある。
この盆地はプエルトリコよりもわずかに小さい。けっして広大とは言えないが、砂漠、湿地、ツンドラ、塩水湖といった自然環境が並存しており、ありとあらゆる生物群と数々の固有種が生息している。そうした生物の代表格として挙げられるのが、絶滅危惧種のユキヒョウである。なかなか姿を現さないこの動物は、密猟などで大きく数を減らしたが、この地域が自然保護区に指定されたこともあり、再び天敵 (すなわち人間) を恐れずに繁殖できるようになった。家畜を襲う害獣としてたまに駆除されてしまう場合を除いては、だが。