その名にも関わらず、この円錐状の丘の連なりにカカオの木は1本も生えていない。乾季の丘の様子が、まるでチョコレート菓子が並んでいるように見えるから、というのが名前の由来だ。フィリピンのボホール島にあるチョコレート・ヒルは、地質学的国定記念物に指定されているが、その形成過程はいまだ判明していない。草に覆われたこの奇妙な丘はどうしてできたのか? 最も支持されているのは、数千年にわたる侵食の末、風化した海洋性石灰岩が残されたという説だが、地殻変動でサンゴ礁が隆起したとも言われている。もちろんこうした地形につきものの伝説もある。もしその伝説が真実なら、この1268個の丘は、人間の恋人を亡くした巨人の悲しみの涙からできているのかもしれない。真相はさておき、この丘の景観が世にも珍しいものであることは間違いない。