海洋恐怖症の人には不向きな場所かもしれないが、メキシコのユカタン半島、有名なチチェン・イツァの遺跡からそう遠くない場所にセノーテ・イキルがある。セノーテとは、陥没によって生じた穴に地下水が溜まった天然の泉のことで、セノーテ・イキルの場合、たどり着くには、ツタをかきわけ、岩壁をくり抜いて作られた階段を地下に26m降りなければならない。セノーテ・イキルの幅は60m、水深は50mで、ブラック・ブルヘッドという魚が生息しており、観光客はここで泳いだり、シュノーケリングを楽しむことができる。
この地で暮らしていたマヤ人にとって、真水を得られ、儀式の場にもなったセノーテは聖なる場所だった。ちなみに、その中には生贄の儀式も含まれるが、セノーテ・イキルがそうした目的に使われたという証拠は、今のところ見つかっていない。
この不思議な地形は世界各地で見られるが、メキシコは突出して多く、ユカタン半島だけでも大小合わせて6000以上のセノーテが存在している。