1969年、アポロ11号の宇宙飛行士が月面から地球の写真を撮影した。暗黒の宇宙にポツンと浮かぶ青い星の写真は、見る者すべてに世界の小ささとそこが全生命の共有物だという意識を植えつけた。地球の水、大気、生態系はすべて未来に伝えるべき遺産であり、それを守ることは人類の責任であると気づかされたのだ。その2年前、1967年にカナダで開かれたモントリオール万国博覧会のアメリカ館は、巨大な球形をしていたが、これは尊く儚い地球を表現したものだった。今もモントリオールの街で異彩を放っているこの球体は、バイオスフィアと呼ばれ、建築家のバックミンスター・フラーによって設計された。バイオスフィアは地球に捧げられた環境博物館であり、大気、水、生物の多様性、大気の儚さと尊さ、そしてこれらに迫っている脅威を象徴している。この建物を見事に言い表している「バイオスフィア」という名前は、エドアルト・ジュースという地質学者が生命と相互のつながりを表すために創り出した造語である。今日の科学者は彼のアイデアを発展させ、「人新世」という概念を唱えている。人新世とは、実在しない地質学的な時代区分で、私たちが生きている今この時のことである。現在、人類の活動は否応なくこの星に影響を与え、生態圏の仕組みを大きく変えようとしている。コーヒー片手にこれを読んでいる諸君も、再利用可能なカップの使用を一度真剣に考えてみるといいだろう。