個人がそうであるように、国家にも確固たる政治規範がある。それなくして国家間の機能を円滑かつ正常に維持することは難しいだろう。もっとも、便益のためにそうした規範を無視する国家も存在する。そうした行為が繰り返され、目に余るようになってくると、その国は「ならずもの国家」の烙印を押されることになる。結果としてその政権が政治的孤立状態に陥ることも多いが、やりたい放題に振る舞ったあげくに窮地を逃れた例もある。ならずもの国家を罰するための費用が、国際社会がまかなえる額を大きく超える場合もあるからだ。また、ならずもの国家は、かならずしも孤立無援であるわけではなく、ある程度は味方してくれる支援国が存在することもある (暴発したならずもの国家は、安定したならずもの国家より時として危険だからだ)。そのような場合に国際社会にできるのは、外交規範のもろさを忘れないようにするための不愉快な教訓として、そうした国々を苦々しく見つめつづけることだけだ。