伝統的に、集産主義は個人主義の対極にある政治哲学であり、集団内での労働、財産、アイデンティティの共有に力点を置いている。階級的な形態 (ヒエラルキーの中で能力を発揮できる個人が称賛される) をとることも、より水平志向の形態 (グループ内の個人の平等が重視される) をとることもある。時代を問わず、さまざまな集産主義的経済、社会実験がおこなわれてきたが、成功の度合いは千差万別だった。1920年代にソ連の農場で実践された強制的な集産化は、まぎれもない大失敗である。一方、南アフリカのウブントゥ (思いやり) 思想に基づく運動は、同国の真実和解委員会やアパルトヘイト制度の解体に影響を与えた。集団行動の利点と危険性については、今なお白熱した議論が交わされている。その議論に決着が着くのは、まだしばらく先のことだろう。