騎兵に兵舎があるように、馬には厩舎がある。それどころか、軍で飼育されている馬やロバは、それを世話する人間より上等な扱いを受けるのが一般的である。多くの場合、厩舎は騎兵部隊の兵舎を内包する形になっていた。ローマ帝国のトゥルマ (騎兵小隊) や英国の王室騎兵はその良い例である。敷地内には馬房や飼い葉桶、食糧庫、馬手の住居などがあり、軍の厩舎となると柵で囲まれた馬場や獣医の待機する場所などもある。また、イギリスなどでは、厩舎 (stable) という言葉自体が騎兵部隊の本部を指すものとして使われていた時代もある。軍の厩舎の他に、王侯の馬や馬車を管理する君主専用の厩舎などもあり、そうした場所には近衛騎兵が駐屯しているのが通例であった。ただし、これはすべて過去の話であり、今日、こうした厩舎の大半は、味気ない駐車場にとってかわられている。