印象派の絵画は、活き活きとした躍動感を生みだす独特の色使いと筆致で知られている。いわば、現実世界を夢の中で描いたらこうなるだろう、と思わせる絵画である。先見の明を持っていたクロード・モネは、この画法の大家である。絵画はモネにとってレゾン・デートル、すなわち存在理由そのものだった。
モネにとって絵は人生だった。父親は彼が絵の道に進むことを快く思わず、兵役免除のための金を出す条件として、モネに筆を折ることを迫った。モネの情熱はその後も試され、最初の妻カミーユと貧しさに喘いでいた頃には、絵を借金のかたとして取り上げられることもあった。晩年には白内障を患い、一時は失明寸前まで悪化したが、それでも彼は絵を描きつづけた。手術によって白内障が治った後、モネは画風を変化させた。これについては、手術を受けたことで紫外線が見えるようになり、それを絵に表現しようとしたのだとの説もある。
芸術に身を捧げたその生涯において、モネは2,000点を超える絵画を残した。