祖廟は先祖の供養や祖先崇拝にとって重要な建造物で、中国のものがよく知られている (といっても中国だけに見られるわけではなく、同じ主旨の建物は、歴史上各地に存在する)。こうした建造物は、生きている人々が血を同じくする過去の世代を敬い、結婚や葬儀など、一族にまつわる重要な祭儀をおこなう場として機能してきた。
血縁をつなぐ祖廟は、一族の帰属意識にとって重要な役割を果たしている。どれだけ遠くに移り住もうと、祖廟があれば一族の者はそこに帰り、自分たちのルーツとつながることができるからだ。こうした帰属意識にもとづく精神的基盤は、一族の者にとって力の源泉たりえる。祖先とのつながりを感じている人々は、自分が連綿とつづいてきた営みの一部であることを実感できるからだ。