アメリカの象徴は何かと聞かれたら、真っ先に浮かぶのはやはりあの緑色の女性だろう。ニューヨーク港にそびえる自由の女神像は、フランスの法学者であり政治家でもあったエドゥアール・ド・ラブライエが、彫刻家のフレデリック・オーギュスト・バルトルディに設計を依頼し、アメリカに贈ったものである。ラブライエの「レディ・リバティ (自由の淑女) 」構想は、その実現に21年の歳月を要した。アメリカの独立100周年には10年ほど間に合わなかったが、文句を言う者などいるはずもない。像はフランスで造られ、214の部品に分解されてアメリカに運ばれた。214の箱に入ったプレゼント。なんともロマンチックではないか。
これらの部品が現地で組み立てられ、最終的に完成したのは1886年のことである。像は完成前から関心を集め、女流詩人エマ・ラザロのおかげで「新しい巨像」という愛称も普及した。自由の女神は、またたく間に自由と希望の象徴になった。女神の掲げる松明は、疲れた貧しい人々のよりどころとなったのだ。人々はその明かりに誘われるようにして、次々とアメリカにやって来た。ある者は安住の地を求め。またある者は新たな出発を期待して。