君主制や統治者を中心とした政府制度の発展とともに、指導者による政務は儀式化していった。このことは建築にも表れている。統治者が一国の元首として人々に引見する特別な場所を作ることには、多くの利点があった。見るからに贅を尽くし、装飾を凝らした豪華絢爛な空間を作れば、そこに足を踏み入れた者は、自分の希望を述べる前に圧倒的な畏敬の念に打たれるからだ。
謁見の間は、統治者としての務めを果たしている統治者に会うための場だ。そこには玉座があるかもしれないし (あれば「玉座の間」と呼ばれることになる)、玉座がないこともある (そうであっても、権威を示す何らかの象徴があるのが普通だ)。ことによると、謁見の間にいるのは統治者の代理かもしれない。そうすることで、別の場所で玉座についている統治者は、自分が人に会う時間もとれないほど多忙で重要な存在だと示すのである。