平穏、不滅、幾ばくかの謎。鎌倉の大仏として知られるこの仏陀の像は、高徳院の境内に鎮座し、屋外の目立つ場所で座禅を組みながら、信者と観光客の区別なく、寺を訪れたすべての人々を出迎えている。青銅で造られているため、長い時を経てその表面は酸化し、落ち着いた緑色へと変化している。作者にあたる人物が誰かは不明である。
とはいえ、高徳院の仏師が、丈夫で長持ちする大仏を作ったことは確かだ。地震と2度の台風に耐え、現在まで無事な姿をとどめているのだから、それは間違いない (大仏はもともと巨大な仏殿に安置されていたのだが、こちらはずっと昔に倒壊してしまっている)。大自然はどうにかして座禅を崩そうとしているのだが、それに動じることなく、大仏は750年間、穏やかに座りつづけているのである。