スコットランドの化学者であるジェームズ・ヤングは、マイケル・ファラデーの電池を改良し、ジャガイモの胴枯れ病対策を提案し、イギリスの軍艦の錆止め技術を発展させ、イッポリート・フィゾーの考案した光速度の計測技術を改良した。ヤングの業績は枚挙にいとまがないが、おそらく彼の名をもっとも有名にしたのは、のちに特許を取得した原油の精製技術だろう。この技術は、高温の炭層が原油に与える影響を観察した結果として生まれたもので、このプロセスを人工的に再現した実験は、のちに多様な用途の石油を世に送り出すことになった。
1850年、ヤングとその友人にしてビジネスパートナーだったエドワード・メルドラムは、世界初となる民間石油会社を設立した。ヤングはやがて経営から手を引き、灯油の特許で得た財産で裕福な暮らしを送った。