最良の国家とはどのような国家か? プラトンがその著作『国家』で提起したこの問題に、人類はさまざまな意味でいまだ答えを出せないでいる。それでも数千年の間に世の中の価値観や道徳観は変わり、政治的な権威の源や国事への参加を許される人々、国民が政治に参加する方法にも大きな変化があった。統治の実務的な部分については、これからも新たな実験がなされるに違いない。そう考える理由は数多くある。また、そうした実験は政治的、文化的な新たな通念の影響を受けたものになるだろう。「近未来的統治」は、人々の政治への関わり方が次なる段階に進んだ社会を表現するための、架空の社会制度だ。この社会制度においては、政治思想家たちの考案した新たな方法により、従来は漠然としたものだった通念が体系化され、人々は市民生活の中で統治に参加することが可能となるのである。