将来の行動を巧みに予測する能力を駆使することにより、人工知能は洗練された行動モデルを構築することができる。こうした行動モデルは商業分野ですでに幅広く活用されているが (パソコン画面に表示されるインターネット広告を観察すればそのことがわかるはずだ)、用途はそれだけにとどまらない。医療や健康管理の専門家たちは標的型の予防プログラムに興味を持っているし、法執行機関では犯罪予測に役立つことを期待されている。
予防的な分析の対象範囲が広がっていることについては、不気味さを感じている人々もいる。その原因の1つとして、AIが生成したモデルの透明性の低さが挙げられる (データを入力すると推奨情報が出力されるが、それをどのようにして導き出したかはAIにしかわからない)。また、プライバシーを重んじる社会においては、こうした分析が伝統的な価値観に反する場合もある。悲惨な結果を予測し、その発生を未然に防ぐことに役立つとはいえ、社会に大きな変化をもたらしてまでそうした進歩を迎え入れる価値があるかどうかは、真剣に検討する余地がありそうだ。